第九回-「水戸“黄門”-実は中国語?!」
“この紋所が目に入らぬか!”といえば“水戸黄門”ですが、おそらく日本で“水戸黄門”を知らない人はいないのではないでしょうか?
さて、“三国志”とは何の関係もなさそうな“水戸黄門”ですが、じつはこの“水戸黄門”という言葉の中に中国語が使われているのはご存知だったでしょうか?“水戸”は“茨城県”の旧名ですね、すると残る部分は“黄門”-そう、この“黄門”実は中国語なのです。
というわけで、今回は三国志の時代の中国の国家制度と日本の国家制度、三国志時代の地名現在の地名を、比較してご紹介したいと思います。少し難しい話になるかもしれませんが、最後までお付き合い下さいヾ(^-^;) ゴメンゴメン
日本の朝廷(天皇や公家)は、中国の唐の時代の朝廷に倣って大臣の職名や官位(階級)を決めました。“水戸黄門=水戸光圀”は日本での正式な官位は“中納言(ちゅうなごん)”、この“中納言”に該当する中国の位は“黄門侍郎”といいます。それで“水戸中納言”だった水戸光圀は“水戸黄門”と名乗ったわけです。
このように、中国の官位の名残は日本に大きな影響を及ぼしました。三国志の時代に使われていた言葉も、現在私たちが普通に使っている言葉に影響を与えています。たとえば・・・
丞相(cheng2xiang4:じょうしょう)
これは最高位の公務員で、現在の日本で言うと「内閣総理大臣」にあたります。今でも総理大臣のことを“首相”と呼びますね。なんで“首相”って呼ぶんだろうと思ったことはありませんか?辞書で確認してください。相(xiang4)は大臣という意味ですね。つまり首(第一位の)相(大臣)ということで「内閣総理大臣」は“首相”と呼ばれるわけです。外相、農水相、財務相、ほら、みんな“相”が付きますね。これは中国から来た言葉の名残なんです。次からニュースを見るときは“これは中国語なんだ~”って思いながら見てください。ちなみに三国志では“丞相”といえば“諸葛亮”のことですから、よく覚えてください。
一般的に、上記の丞相の下に“三公”という三人の大臣がいました。
司徒(si1tu2:しと)
現在の、「財務大臣」・「文部科学大臣」
司空(si1kong1:しくう)
現在の、「総務大臣」・「国土交通大臣」
太尉(tai4wei4:たいい)
最高の軍事責任者で、現在の「防衛大臣」に相当します。
さらに“三公”の下に“九卿”という役職がありました。
大司農(da4si1nong2:だいしのう)
現在の、「農林水産大臣」
廷尉(ting2wei4:ていい)
現在の、「法務大臣」
尚書令(shang4shu1ling4:しょうしょれい)
現在の、「官房長官」
ざっとこんなかんじです。
つづいては地名です。
下の表でご確認ください。
| 三国時代 | 現在の省 | |||
| 幽州(ゆうしゅう) | 遼寧省 | |||
| 冀州(きしゅう) | 河北省 | |||
| 兖州(えんしゅう) | 河南省 | |||
| 豫州(よしゅう) | 河南省 | |||
| 青州(せいしゅう) | 山東省 | |||
| 并州(へいしゅう) | 山西省 | |||
| 徐州(じょしゅう) | 江蘇省 | |||
| 揚州(ようしゅう) | 浙江省 | 江蘇省 | 安徽省 | 江西省 |
| 荊州(けいしゅう) | 湖南省 | 湖北省 | ||
| 益州(えきしゅう) | 四川省 | 雲南省 | 貴州省 | 重慶市 |
| 司隷(しれい) | 陝西省 | 河南省 | ||
| 雍州(ようしゅう) | 甘粛省 | 陝西省 | ||
| 涼州(りょうしゅう) | 甘粛省 | |||
この表の中に、吉林省、黒龍江省がありませんが、三国志の時代は、まだそこまで統治範囲が広がっていなかったようです。
今回は、すこし社会の勉強のようになってしまいましたが、これも三国志時代を理解するために必要かと思いますのでご了承くださいヾ(^-^;)
いよいよ次回から、三国志の物語を解説していきたいと思います。「桃の木の下の約束」と題して、物語の始まりをご紹介していきたいと思います。


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